経営者、管理職は、説明やプレゼンで’サインポスティング’を活用しよう
2024年9月9日
あなたはこのような経験はありませんか?
「この方のお話はいつ終わるのだろう?」
「今、プレゼンのどこを話しているのだろうか?」と疑問に思い、不安に思ったこと。
いつまで続くかわからない話は、聞き手に
「要点は何?」
「いつ終わるの?」と不安にさせてしまいます。
以前、国会議員の秘書をしていた時、
あるクローズドな会合で、
果てしなく続く国会議員の話にしびれを切らした
地方議員の女性が
「すみません、この話はいつまで続きますか?」
「食事の時間をとっていただけるのか?続けて話されるのか?教えていただけませんか?」
〜と訊ねたことがありました。
私もその場にいて、同じ思いでしたので、
いつ終わるかわからない話というのは、聞き手を不安に感じさせるものです。
そこで、今回は、こうした不安を解消するために、
話の現在地を示してあげる‘サインポスティング’の活用についてお伝えします。
この記事を書いた人:政治家・経営者スピーチコンサルタント 阿部恵
エグゼクティブはサインポスティングを使って話そう
あなたは「サインポスティング」をご存知ですか?
「サインポスティング」とは、説明やプレゼンテーションの中で、
聞き手や読者に対して話の道筋や重要なポイントを示す言語的な手法です。
例えば、
「今日は3つの重要なポイントについてお話しします」とか
「まず〜について話します」
「次に〜について話します」のように、
今、どこを話しているか、【話の現在地】がわかるように、
相手にあらかじめ伝えることを言います。
サインポスティングが重要なのは、
聞き手の理解を助け、情報の整理を容易にしてくれるからです。
複雑な内容や長い説明の中で、
聞き手が迷子にならないよう導く‘道標’のような役割を果たしてくれるのです。
サインポスティングを使うことにより、
伝えたい内容がより効果的に相手に届くようになります。
いつまで続くかわからない話を聞いていると、
「要点は何?」
「いつ終わるの?」と不安になってしまうもの。
聞く側にとっては「全体の話の中でどのあたりを話しているか」がわかると安心するのです。
サインポスティングを効果的に使って話す方法
では、サインポスティングをどのように活用したら良いのか、
ポイントを3つお伝えしましょう。
① 話の構成を提示する
例えば、プレゼンの流れを冒頭で説明するパターンです。
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本日のプレゼンでは、
まずA社様の現状分析を行い、
次に課題を3つ挙げ、
最後にその解決策をご提案致します。
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このように全体の流れを示すことで、
聞き手は内容の見通しを立てやすくなりますね。
② 重要なポイントの前に使う
プレゼン時間が30分だとしましょう。
しかし、30分の内容を全て相手に暗記してもらうのは現実的ではありません。
やはり最重要のポイント等、優先順位があるはずです。
最も伝えたいメッセージの前で使いたいのが以下のようなコメントです。
_____
ここからが本日のプレゼンテーションの核心部分です!
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このように予告することで、眠くなっているかもしれない(?)聞き手の注意を喚起し、
重要な情報により集中してもらえます。
少し話は横にそれますが・・・
中学、高校時代を振り返ってみて下さい。
お弁当を食べた直後の午後の授業。
つい、うとうとしていても
「ここから言うことは期末テストに出ますよー!」と言われた瞬間、
シャキーンと目が覚めたことはありませんか?
事前予告は注目度が高まりますね!
③ 章やセクションの切り替え時に使用する
次にご紹介するのが、場面転換や、話が変わる時に使う方法です。
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ここまでが現状分析でした。
次に、具体的な課題に移ります。
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このように言われたら
「あぁ、ここから話が変わるんだな」とわかりますね。
こうした表現により、話題の切り替えをスムーズに行い、
聞き手の理解を促進する効果があるのです。
サインポスティングでプレゼン、説明する具体的事例
それでは実際にサインポスティングを活用している具体例をご紹介しましょう。
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【ビジネスプレゼンテーションでの活用場面】
本日のプレゼンテーションは3部構成になっています。
第1部で市場分析、
第2部で自社の強み、
第3部で今後の戦略についてお話しします。
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【教育現場での利用】
今日の授業では、
まず光合成の基本的なメカニズムを説明し、
その後、環境要因が光合成に与える影響について詳しく見ていきます。
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【日常会話での活用】
今日の夕食の相談をしたいんだけど、
まず予算を決めて、
次にメニューを考えて、
最後に買い物リストを作ろうか。
_____
いかがですか?簡単に使えそうですね!
サインポスティングを使った効果的な話し方のコツ
*話す内容をシンプルに構成する
サインポスティングを活用しやすいように、
構成の段階で、「1、2、3、4」のように箇条書きにします。
そうすると、「1つ目は」「2つ目は」・・・と、話しやすくなります!
*シンプルで明確な言葉を選ぶ
サインポスティングを活用する時には、
いくつかの言葉のバリエーションを持たせると、良いですね。
「次に」
「重要なポイントは」
「まとめると」などです。
簡潔で分かりやすい表現が、話す側も聞く側も理解しやすいですね。
*要約と繰り返しを活用する
各セクションの終わりに
「ここまでのポイントをまとめると」と要約を入れることで、理解を深めることができます。
数字は3つまで
注意点としては、数を示しながら要点を伝える時は「3つ」までにしてください。
これは、「人が一度に覚えられる数は3つまで」と言われているからです。
確かに、「要点は11個あります」
〜なんて言われたら聞く気、なくなりますよね(笑)
「ポイントは3つです」と言われれば、
聞いている側は「次は2つ目だな」「最後の項目だな」と、心の準備もできます。
サインポスティングは、特に長いプレゼンや面接などで有効です。
また、数字を使う場合は、手で「1、2、3」とジェスチャーを使うこともできますので
視覚的に聞き手を注目させることもできます。
サインポスティングを活用することで「今、どこを話しているか」
相手には見えていないあなたのプレゼン構成を示すことができます。
説明の際、重要なのは「聞き手のために話すこと」です。
次のプレゼンテーションや重要な説明の際に、
ぜひサインポスティングを意識的に取り入れてみてください。
きっと、コミュニケーションの質と、あなたの話の信頼度がアップするはずですよ。
とはいえ、一人で実践するのはなかなか難しい
〜という方もいらっしゃるでしょう。
Confillでは経営者向けトレーニング実績が豊富にありますので、
どうぞお気軽にご相談くださいね。
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