経営者の話し方が会社の業績、コミュニケーション、部下のモチベーションに影響する!
2024年10月14日
「言葉の力」という言葉をよく耳にしますが、特に、経営者の話や言葉は会社全体に大きな影響を与えます。経営者の発する一言で、社員を奮い立たせることも、逆に意欲を削ぐこともあるからです。
そこで今回は、経営者の話し方が会社の業績、職場のコミュニケーション、そして部下のやる気にどのように影響するかを詳しく見ていきます。
また、効果的な話し方のポイントや具体的な事例も紹介し、
経営者がより良いコミュニケーションを実践するためのヒントをお伝えします。
この記事を書いた人:政治家・経営者スピーチコンサルタント 阿部恵
経営者の話し方が与える影響
1. 会社の業績への影響
経営者の話し方は、直接会社の業績に影響を及ぼします。
明確なビジョンと戦略を効果的に伝えられれば、
社員全員が同じ方向を向いて努力することができます。
例えば、「5年後には業界トップを目指そう!」という具体的な目標を示して、
そのための戦略を具体的に説明できたら、社員の行動指針が明確になりますよね。
また、投資家や顧客との信頼関係構築においても、経営者の話し方は重要です。
自信に満ちた、誠実な話し方は外部のステークホルダーに安心感を与え、
長期的な関係構築につながります。
逆に、「〜かと思われる」「〜だと思うのですが・・・」といった曖昧な表現や、一貫性のない発言は、「この会社、大丈夫かな?」と不信感を招く可能性があります。
2. 職場のコミュニケーションへの影響
経営者の話し方は、組織全体のコミュニケーションスタイルにも大きな影響を与えます。オープンで透明性のある組織文化を醸成したい場合、経営者自身が率先して自己開示を行い、情報共有するなどして、社員の意見に耳を傾ける姿勢を見せることが重要です。
「どんな意見でも歓迎するよ!」
「失敗は成長のきっかけになる」
「私も失敗したことがあるんだ!」
〜と、ご自身の失敗談も含めて日常的に話すことで、部下たちも話しやすい空気を察し、
社員間のコミュニケーションも活発になります。
3. 部下のモチベーションへの影響
経営者の言葉は、直に部下のモチベーションに影響します。
それぞれが頑張ったことをきちんと認識し、適切に評価する言葉かけは、
社員の自己効力感を高め、さらなる努力を引き出します。
「あなたの提案のおかげで、プロジェクトが成功したよ」
「しっかりとした準備をしてくれてありがとう」
「素晴らしいプレゼンだったね」
〜といった具体的な評価は、社員のやる気を大きく向上させます。
褒める時は漠然と、ではなく、具体的に褒めてあげると部下の心に刺さります!
経営者の効果的な話し方
それでは、経営者が効果的なコミュニケーションを行うためのポイントをいくつか紹介します。
1 明確さと一貫性
メッセージは簡潔で分かりやすく、かつ一貫性を持たせることが重要です。
複雑な内容も、部下の誰もが理解できるように、
わかりやすく噛み砕いて説明する努力が必要です。
わからない言葉を使うと、その時点で相手は「???」となってしまい、
相手にプレッシャーを与えます。
経営者は、劇作家の井上ひさしさんの名言である
「難しいことをやさしく」をぜひ実践して下さい。
2 傾聴と共感
経営者になると話す機会が増えますよね。
しかし、中には、相手の話をあまり聞かずに、自分が喋りたくなってしまうケースもあります。
なかなか言葉が出てこない社員もいるかもしれませんが、
遮らずに社員の声に耳を傾け、その思いに共感してあげましょう。
「あなたの気持ち、よく分かるよ」
「その考えは非常に興味深いね」
〜といった言葉で、相手の意見を尊重していることを示します。
3 ポジティブな言葉遣い
話し上手の経営者は意識的にポジティブな表現をしています。
スピーチトレーニングをしていても、
話し方にお悩みの多い経営者は、不思議と否定的な表現が多いのです。
経営者が発する言葉が周辺の雰囲気に直接影響しますので、
否定的な表現ではなく、ポジティブな表現を使うようにしましょう。
「なんでできなかったんだよ!」(=否定)ではなく、
「何があったら次、できる?」
〜のように「できる」前提で話を進めると、部下は「肯定」された気持ちとなります。
社員の前向きな姿勢を引き出すためにも、
例えば「問題」とか「失敗」と言う表現でなく
「次への学習機会」のようにポジティブ変換することも効果的です。
具体的な事例〜成功した経営者と、失敗を活かした経営者〜
成功事例:IT企業の経営者
IT企業であるA社の経営者は、四半期ごとに全社員向けのタウンホールミーティングを開催しています。
会社の現状と今後の方向性を共有するのですが、
その際、複雑な財務情報をわかりやすくするため図表を使って説明し、
質疑応答の時間も十分に設けています。
また、日々の社内巡回では社員一人ひとりに声をかけ、
「あなたが書いてくれているHPのスタッフブログ、いつも見ていますよ!」
「先日の会社説明会では司会の大役、お疲れ様でした!学生たちの反応、良かったね」
〜と、部下の仕事が会社にとってどれだけ重要かを具体的に伝えていました。
この経営者のコミュニケーションスタイルにより、
A社では情報の透明性が高まり、社員のエンゲージメントが大幅に向上しました。
結果として、業績も大幅に伸びています。
失敗から学んだ教訓:不動産関連会社B社の場合
一方、不動産関連会社であるB社の経営者は、いわゆるザ・昭和のオーナー社長。
普段から
「結果がすべてだ!」
「失敗は許されない!」
〜といった厳しい言葉を頻繁に使っていました。
その結果、社員は新しいアイデアがあったとしても、
社長から厳しいことを言われるのが怖くて、アイデアを提案できません。
他の社員たちも「心理的安全性」が担保されていない企業風土ですから、
一切のリスクを取らなくなりました。
こうした雰囲気ですから、部門間でも責任のなすりつけあいや競争を煽る発言も多く、
協力体制が築けない状態でした。
この状況を改善するため、B社の経営者はコミュニケーションコーチングを受け、
そもそもの言葉遣いから見直しました。
これまでは
「結果がすべてだ!」
「失敗は許されない!」
〜だったのに対し
「失敗から学ぶことの重要性」
「部門を超えた協力の価値」
〜を強調するようになると、徐々に組織文化が変わっていったそうです。
素直にコーチングを受けたあたり、この経営者も大したものです。
まとめ
このように経営者の話し方は、会社の業績、職場のコミュニケーション、そして部下のモチベーションに大きな影響を与えます。
適切な言葉遣いと効果的なコミュニケーションスキルは、組織全体の成功に不可欠な要素です。
けれども、完璧な話し方を一朝一夕に身につけることは困難です。
継続的な改善意識とトレーニングが必要ですね。
ご自身の言葉が与える影響を常に意識し、フィードバックを積極的に求めることを続けて下さい。
経営者のための実践アドバイス
それでは実際にどのようなトレーニングが効果的か?
コミュニケーションスキル向上のためのトレーニング:
プレゼンテーションスキルやリーダーシップコミュニケーションに関するワークショップやセミナーに参加することをお勧めします。
また、スピーチコーチや経験豊富なメンターからのマンツーマン指導も効果的です。
フィードバックの重要性:
定期的に社員や同僚から、自身のコミュニケーションスタイルについてフィードバックを求めましょう。誰が書いたかわかるようにしてしまうと、本音を知ることができません。匿名のアンケートを実施するのも一つの方法です。
また、私がオススメするのは、重要な会議やプレゼンテーションを録画し、後で自己分析することです。
最初は「見たくない💦」と感じるかもしれませんが、ご自身の反省点は必ず次に活かせますので、やってみて下さい。
経営者の言葉には大きな力があります。
その力を意識し、適切に使うことで、会社全体を良い方向に導くことができます。
日々のコミュニケーションや話し方をまずチェックし、それを改善することで、会社の業績の向上、職場の活性化、そして社員のモチベーション向上実現しましょう。
とはいえ、一人でスピーチの修正をし、効果的にトレーニングするのは難しい
〜という方もいらっしゃるでしょう。
Confillでは経営者向けトレーニング実績が豊富にありますので、
どうぞお気軽にご相談くださいね。
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