聴衆に伝わる選挙演説のコツ~話の区切り方~
2024年10月25日
選挙戦が始まると、街頭や会場で候補者たちの熱い演説を耳にする機会が増えます。
しかし、その中で本当に心に残る演説はどれくらいあるでしょうか?
選挙演説で有権者の心を掴むには、単に内容が良いだけでなく、伝え方も非常に重要です。
今回は、効果的な演説の鍵となる「話をどこで区切るのか?〜フレージング〜」
について詳しく解説していきます。
この記事を書いた人:政治家スピーチコンサルタント(元国会議員政策担当秘書) 阿部恵
フレージングとは何か
フレージングとは、文章を意味のかたまりごとに区切って話す技術です。
音楽用語としても使われますが、スピーチや演説においても重要な要素です。
ぶつ切りの話し方ではなく、自然な流れで聞き手に理解しやすい話し方を実現するための手法です。

ぶつ切り演説の問題点
多くの政治家が陥りがちな「ぶつ切り演説」には、いくつかの問題点があります。

1聴衆が理解しづらい:
単語ごとに区切って話すと、文章の意味が伝わりにくくなります。
有権者はそれぞれの単語を頭の中でつなぎ合わせる必要があり、理解に時間がかかってしまいます。
2メッセージが伝わりにくい:
ぶつ切りの話し方では、話の流れが途切れがちになり、全体的なメッセージが散漫になってしまいます。重要なポイントが有権者の記憶に残りにくくなります。
3話し手の熱意が伝わらない:
言葉がぎこちなく聞こえるため、話し手の熱意や感情が十分に伝わりません。これは、有権者との感情的なつながりを作る上で大きな障害となります。
4聴衆の集中力が途切れやすい:
ぶつ切りの話し方は単調になりがちで、有権者の注意を引き付け続けることが難しくなります。
その結果、演説の途中で聴衆の関心が薄れてしまう可能性が高くなります。
フレージングの効果
一方、フレージングを意識した演説には、多くの効果があります。
聴衆の理解度向上:
意味のまとまりで話すことで、聞き手は内容を理解しやすくなります。
複雑な政策や主張も、適切なフレージングによって分かりやすく伝えることができます。
メッセージの印象強化:
重要なポイントを効果的に強調することができ、聞き手の記憶に残りやすくなります。
例えば、
「私たちの未来のために」「この政策が必要不可欠です」
というように、キーメッセージを明確に伝えることができます。
感情の効果的な伝達:
フレージングを使うことで、話し手の感情やニュアンスをより効果的に伝えることができます。例えば、「私は/怒っています」よりも「私は怒っています」と一息で言う方が、感情が強く伝わります。

フレージングの実践方法
では、具体的にどのようにフレージングを実践すればよいのでしょうか。
いくつかのポイントをご紹介します。
- 原稿作成時の工夫:
- 文章を書く際に、長くならないように意味のまとまりを意識して構成する。
- 読点や間を適切に配置し、自然な区切りを作る。
- 読み上げ練習のコツ:
- 原稿を声に出して読み、自然な区切りを見つける。
- 重要なフレーズは、やや遅めのテンポで、はっきりと読む。
- 実際の演説での応用:
- 重要なポイントでは、ジェスチャーとフレージングを合わせる。
- 感情を込めて話すことで、自然なフレージングが生まれやすくなる。
- 呼吸の管理:
- フレーズの終わりで自然に息を吸う練習をする。
- 長いフレーズでは、途中で小さく息を継ぐ技術を身につける。
- 録音して自己分析:
- 自分の演説を録音し、客観的に聞き直す。
- フレージングが適切か、メッセージが明確に伝わっているかチェックする。
成功例と失敗例の比較
フレージングの重要性をより具体的に理解するため、成功例と失敗例を比較してみましょう。
失敗例:
「私は/皆さんの/生活を/守るために/全力で/取り組みます/経済の/活性化と/福祉の/充実を/目指し/頑張ります」
この例では、各単語でぶつ切りになっており、メッセージが散漫になっています。
聴衆は内容を理解するのに苦労し、話し手の熱意も伝わりにくくなっています。

成功例:
「私は皆さんの生活を守るために」「全力で取り組みます」
「経済の活性化と」「福祉の充実を目指し」「頑張ります」
この例では、意味のまとまりごとに適切に区切られています。
各フレーズが明確なメッセージを持ち、聴衆は内容を理解しやすくなっています。
また、話し手の決意も効果的に伝わります。
まとめ:聴衆を惹きつける演説へ

フレージングを意識することで、有権者の心に伝わりやすい選挙演説が可能になります。
単に言葉を羅列するのではなく、言葉の意味をよく考えながら話せば、聴衆の心にも響くのですね。
日々の会話や、小規模な場での発言機会などを活用し、
常にフレージングを意識することが大切です。
また、他の政治家や著名な演説者の話し方を研究して、
「どこで区切って話しているか?」
「息継ぎ」にも注意しながら聞くことも、有効な学習方法となります。
選挙演説は、候補者と有権者をつなぐ重要な機会です。
フレージングを意識し、心のこもった言葉で語りかけることで、より多くの人々の心に届く演説を目指しましょう。フレージングを意識したあなたの言葉で、政治と市民の距離が縮められると良いですね!
とはいえ、一人でスピーチ内容を考え、実践するのはなかなか難しい
〜という方もいらっしゃるでしょう。
Confillでは政治家向けトレーニング実績が豊富にありますので、どうぞお気軽にご相談くださいね。

月2回配信のメルマガでプレゼン力UPしませんか?
今なら登録特典
「一回で覚えてもらえる自己紹介のコツ」プレゼント中!
ビジネスエグゼクティブのスピーチは、ただメッセージを伝えるだけでは、その責任を果たしたことにはなりません。
企業の顔、団体の代表として、何をどう伝えるべきか、メルマガを通してお伝えします。
企業エグゼクティブ向けプレゼン力UPメルマガ
月2回無料配信
ご登録はこちらから