有権者を惹きつける街頭演説のコツ〜演説の主語は「私が」ではなく有権者に!〜
2024年10月21日
政治家の街頭演説で、よく耳にする言葉があります。
「私が実現します!」
「私が取り組みます!」
「私の実績は…」
「私が、私が」という表現が多用される演説、あなたもどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか。
この「私が、私が」という演説は、果たして有権者にはどのように聞こえるのでしょうか。
多くの場合、自己中心的で、自分の功績や立場をアピールしているだけと受け取られがちです。
最近では、兵庫県議会で不信任決議を受けた前知事の会見、ご覧になりましたか?
前知事は失職したにもかかわらず、多くの混乱を生じさせたことへの謝罪はなく、冒頭より「私が、私が」の実績アピールでした。
この会見は私だけでなく、多くの皆さんも違和感を持たれたはずです。
しかし、残念なことに政治家を継続していると、いつの間にか有権者がどのように感じるかの視点が欠落し、「私が、私が」という演説になりがちな方も出てくるのです。(もちろん全てではありません!)
当然のことながら民主主義の根幹を成す選挙において、真の主権者は有権者です。
そのため、政治家の演説は有権者の視点に立ち、有権者にとってのメリットを明確に示すものでなければなりません。
そこで本記事では、有権者中心の効果的な街頭演説のコツについて、詳しく解説していきます。
この記事を書いた人:政治家・経営者スピーチコンサルタント 阿部恵
有権者中心の演説の重要性
民主主義において、有権者は主権者であり、政治家を選ぶ権利を持っています。
政治家は有権者の代表者として選ばれているわけです。
この基本的な関係を常に意識することが、効果的な演説の第一歩となります。
有権者中心の演説は、単に聴衆の心に響くだけでなく、
政治家自身が有権者のニーズや期待を深く理解し、それに応える政策を立案・実行する上でも重要です。
有権者の立場に立って考え、語ることで、より実効性のある政策提案につながり、
有権者から信頼される政治家となるのです。
そこでオススメしたいのが「演説の主語を変える」ことです。
演説の主語を変える「私が」から「あなたが」へ
効果的な演説への第一歩は、
主語を「私」から「あなた」や「皆さん」に変えることです。
例えば、以下のような言い換えを意識してみましょう。
「私が雇用対策に取り組みます」→「あなたの仕事の機会が増えます」
「私が教育改革を実現します」→「お子さんの教育環境が良くなります」
「私が地域活性化を推進します」→「この街がより活気づき、皆さんの生活が豊かになります」
このような言い換えにより、有権者は政策が自分たちの生活にどのような影響を与えるのかを具体的にイメージしやすくなります。
演説のコツ〜具体的な表現例〜
政策ごとに、有権者中心の表現を心がけましょう。
以下に、いくつかの例を示します。
経済政策:「地域経済の活性化により、あなたの給与アップや新たな就職の機会が増えます」
福祉政策:「高齢者支援の充実により、ご家族の介護の負担が軽減されます」
環境政策:「再生可能エネルギーの推進で、皆さんの子や孫の世代により良い環境を残すことができます」
交通政策:「公共交通機関の整備により、あなたの通勤時間が短縮され、家族と過ごす時間が増えます」
これらの表現を用いることで、政策が有権者の日常生活にどのように関わるのかを明確に伝えることができます。
有権者との対話を意識する話し方
街頭演説は一方的な情報発信ではなく、有権者との対話の場であるという意識が重要です。
「皆さん」という漠然とした呼びかけではなく、目の前にいる有権者をしっかりと見て
「あなた」と呼びかけることで、一人一人の有権者に直接語りかけているという印象を与えることができます。
また、演説中は常に聴衆の反応を観察し、それに応じて内容や話し方を調整することが大切です。
例えば、特定の話題に聴衆が強く反応した場合は、その点についてより詳しく説明したり、具体例を加えたりすることで、有権者の関心に応えることができます。
質問を投げかけたり、簡単な問いかけを行ったりすることも、有権者との対話を促進する効果的な方法です。
「この地域の最大の課題は何だと思いますか?」といった問いかけを行うことで、有権者の意見を直接聞く機会を作り出すことができます。
地域の課題に焦点を当てる
効果的な街頭演説には、地域の具体的な課題とその解決策を有権者の視点で語ることが欠かせません。そのためには、日頃から地域の情報収集に努め、有権者の声に耳を傾けることが重要です。
例えば、地域の高齢化が進んでいる場合、
「高齢者の皆さんが安心して暮らせるよう、地域包括ケアシステムを充実させます。これにより、あなたやあなたのご家族が必要な医療・介護サービスを身近な場所で受けられるようになります」
〜といった具体的な提案を行うことができます。
また、地域の特産品や観光資源を活かした経済振興策を提案する際も、
「私たちの誇る○○を全国に発信することで、地域経済が活性化し、皆さんの雇用や収入の増加につながります」
〜というように、有権者のメリットを具体的に示すことが大切です。
心を込めて伝える
最後に、どんなに内容が優れていても、形式的な言葉だけでは有権者の心に響きません。
真摯な態度で有権者に語りかけ、自分の言葉で思いを伝えることが重要です。
政治家自身の経験や、有権者との対話から得た気づきを交えながら語ることで、より説得力のある演説となります。
例えば、「先日、地域のお年寄りの方々とお話しする機会がありました。その中で、○○という課題を知り、私は深く考えさせられました。この問題に対して、私は…」
〜というように、自身の体験を交えることで、有権者との共感を生み出すことができます。
また、有権者との信頼関係を構築するためには、一回の演説だけでなく、日頃からの地道な活動が重要です。
地域のイベントに参加したり、定期的に意見交換会を開催したりすることで、有権者との距離を縮め、より深い理解と信頼を得ることができます。
まとめ
効果的な街頭演説の鍵は、有権者を中心に据えることです。
「私が」という表現を控え、代わりに「あなたが」「皆さんの」という言葉を用いることで、有権者にとってのメリットを明確に伝えることができます。
地域の課題に焦点を当て、具体的な解決策を提示することも重要です。
そして何より、形式的な言葉ではなく、心を込めて真摯に語りかけることが、有権者との信頼関係を築く上で不可欠です。
これらの点を意識し、日々の活動と合わせて実践することで、有権者の心に響く効果的な街頭演説を行うことができるでしょう。
まもなく選挙です。
初めて選挙に出られる方も、ベテランの方も、ぜひこれらのコツを活かし、
有権者との対話を深め、より良い政治の実現に向けて邁進してください。
とはいえ、一人でスピーチ内容を考え、実践するのはなかなか難しい
〜という方もいらっしゃるでしょう。
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